VORTEXが貢献できる可能性

さまざまな業界でサステナビリティを求める声が高まるなか、いま繊維産業でも
従来の大量生産、大量廃棄が課題になっています。
また、日々の洗濯などから排出される繊維くずも、注目されるようになってきました。

VORTEXは、
紡績機械、またVORTEXが生産する糸、それぞれの特徴を生かして、
サステナビリティ実現に貢献できる可能性があります。

VORTEXの可能性

VORTEXは持続可能な世界に向けて
5つのテーマで取り組み続けます。

必要な分だけ

: VORTEX精紡機の特徴は、省スペース性と高い生産性です。
原料投入から生産開始までの所要時間が短く、生産終了にもすぐに対応します。
一般的な紡績で必要な3工程（粗紡・精紡・巻上げ）を1台に集約。必要なスペースをコンパクトに抑えます。
また生産性は、従来のリング精紡機の20倍以上。機台として最小構成の16ユニット機でもリング精紡機320錘相当、最大の96ユニット機ならリング精紡機2,000錘相当の生産性です。

ながく使える

: VORTEX糸の特徴である、抗ピリング性や洗濯耐性が最終製品の寿命を延ばします。

環境にやさしく

: 繊維を糸にするために必要な撚り。その撚りを空気で伝えるため、他の紡績方法のように撚りをかけるためだけの回転体がなく、高速で紡績してもエネルギー消費量の変化が少ないのが特徴です。村田機械は空気精紡のパイオニアとして、紡績における消費電力をなるべく抑えられるよう、開発を続けています。

: VORTEX糸は毛羽が少ないため、紡績工程だけでなく、織や編など後工程の現場に浮遊する風綿の発生を抑制します。ニット機の清掃頻度が低減した例もあります。

水にやさしく

: VORTEX糸は毛羽が少ないため、織工程で必要な糊付けの量を抑えられます。糊を落とす際の水処理による環境への負担も低減します。また、糊の乾燥温度を下げられた例も。温室効果ガス削減への効果も期待されています。

: VORTEX糸の構造から、洗濯で発生する繊維くずが少なくなるという効果が確認されています。

変化に合わせて

: アパレル製品生産における多品種小ロットニーズの拡大へ対応するため、デザインの多様化が容易なデジタルプリントが増えてきています。生地にインクを吹き付けるデジタルプリントでイメージ通りのプリント柄をくっきり再現するには、VORTEX糸を使った毛羽の少ないすっきりした生地がマッチします。

: 原着ファイバー(*1)、リサイクルポリエステルなど、様々なサステナブルな原料の紡績対応に積極的に取り組んでいます。小ロットで生産されることの多い原料のため、VORTEX精紡機はその生産糸種の切替えやすさや、幅広い紡績範囲などでも評価されています。

*1：水と薬品の消費が多い従来の染色に代わり、着色した原料を使用するのが原着ファイバーです。近年需要が増えている紡績原料の一つです。

: 機能素材のフィラメント（合成繊維）を糸のコア（核）に入れたコアフィラメント糸など、従来は簡単ではなかった特殊糸の紡績を積極的に提案しています。異なる機能性をコアで付加し、変化させることで、紡績原料を最小限に抑えられます。また、従来のリング紡績に比べ、特殊糸でも糸継ぎが少なく、生産性が高い点でも評価されています。

糸から考える持続可能性 — 2021年度ムラテックサステナビリティレポートより抜粋